実のなる木と花の咲く木

神様が、木を御造りに成る時に木の精霊に聴いた。私はこれからお前達を地上に遣わすが、どんな木が良いか?すると一人の精霊は言いました。

「私は、綺麗な花の咲く木が良いです。」

もう一人は言いました。

「私は美味しい甘い蜜の入った実の成る木が良いです。」

もう一人は言いました。

「私は、花も実もある木が良いです。」

神様は言いました。

「解った。では最初の物には、サクラの木にする。次の物には柿や梅、桃や、ブドウの木になって貰う。ただし実の無いときは、みずぼらしい姿だが良いか?」

すると良いと答えました。

最後の精霊にはこう答えました。

「お前の望みを叶えよう。しかし木では無く野菜に成って貰う。木の様に長生きは出来ないが毎年花を咲かせ、野菜という実をつける。」

こうして地上に実の成る木が出来たのですが、普段は目立たないどころか非常にみずぼらしい姿をしていて、枯れ木の様です。でも時期が来ると必ず甘い実を着けるのです。

今枯れ木の様な状態の人が居るならば、ひょっとしたら実のなる前の冬なのかも知れません。

今井英人の物語集

人生で辛い時にフッと心に浮かんだ物語です。

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