勇者

ある所に勇者が居た。国を守る部隊の長だった。彼は、非常に勇敢で勇ましい人間だった。そして優しかった。

ある日 彼は、自分の体の変調に気づいた。彼は非常に勘が優れていたので、死に至る病だと直感した。彼は、直ぐに国王と部下に打ち明けて引退しようとしたが、誰もが笑って取り合わなかった。彼は表面上は健康そうに見えたからである。

勇者は、考えた。私が急に死んで迷惑をかけてはいけない。勇者は、自分にある能力を部下に尽く伝授した。全てを伝授して勇者が居なくても国が廻っていくようになった日の朝、妻が寝室に行くと勇者は眠るように死んでいた。

皆その知らせを聞き何故いたわらなかったのかと悔やんだが遅かった。勇者は、葬られたが、彼に良くして貰った人が毎日墓に花を供えていくのでその墓には花が絶える事は無かった。


今井英人の物語集

人生で辛い時にフッと心に浮かんだ物語です。

0コメント

  • 1000 / 1000