王子の涙

昔 神様に一人の子供が居ました。子供は、そのまま大きくなっても、王様になれました。しかし神様は、考えました。何の苦労もしないで、大きくなったら人の悲しみが解らない王様になってしまう。そこで神様は、子供を遠い国に旅に出させました。

子供は、王様の子供だと言う事で皆がよってたかっていじめました。何故なら、王様になった時に、あいつは、俺がいじめたんだ。えへん!と言えるからです。

王子は、非常に強い男でした。いじめられても、ほっておきました。

王子は、大人になると、商売を始めました。王子は大変な苦労をして財産と、知恵を身に着けました。ところが、王様はその話を聴くとなんという事か、その商売をやめさせてしまいました。王子は、ご飯を食べるのがやっとの生活になってしまいました。

王子は、仕方なく遠い国の中でも皆が嫌がる給料の安い仕事をしました。すると王子は今までの知恵によってあっという間にその仕事を憶えてしまい、周りの皆から信頼される様になりました。

皆は王子が、簡単に仕事をやっていると思っていましたが、実は王子様は、皆の居ない時に汗を流し、涙を流し、ある時は皆を守るために闘って血を流したりしました。

時が満ちて王様は使いを遣わし、本国に帰るよう命じました。王子が気がつくとそこは、なんと天国でした。王子は、実は地上で苦しんでいたのです。

そして、大変驚いた事に、王子が流した血は、真っ赤なルビーに、一生懸命働いて流した汗は、透き通る水晶に、人のために祈った涙は、ダイヤモンドになっていました。

王子の為に祈った人の涙は、真珠と成っていました。それでこの地上には、宝石があるのです。


今井英人の物語集

人生で辛い時にフッと心に浮かんだ物語です。

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