よみがえった木

ある山に、大きな杉の木が在りました。ずいぶん年を取っていましたが、とても綺麗な杉の木でした。杉の木は、思いました。「随分長生きしたものだ。そろそろ死ぬかもしれない」そんな時、木こりが、通りかかりました。木こりは、とても綺麗な杉の木を見て、村に持ち帰って家にしようと考えました。杉の木は、切り倒されました。

足を切られたとき、大変痛かったので、死んだと思いました。気がつくと村で材木に変わっていました。材木は、家になり、木こりの家族を、3代見守りました。木こりの孫が大人になった時家を建て替えようと思いました。100年経って古く成っていたからです。杉の木は、思いました。「これで、死ぬのだな。」と。

しかし孫が、家を壊している時、炭焼きの人が通りかかりました。炭焼きの人は、壊した家の材木を炭にしました。炭になった、木は思いました。「これで、囲炉裏で燃やされたら死ぬのだな。」と。

しかし灰を、捨てようとした時百姓が通りかかりました。百姓は、灰を貰うと畑にまきました。するとそこへ風の精霊がやってきて、灰をもといた山に運びました。そこには、杉の木の孫が、大きく育っていました。

灰と成ったおじいさんの杉の木は、何時までも孫の側にいました。

今井英人の物語集

人生で辛い時にフッと心に浮かんだ物語です。

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