しょうき

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岩の物語

在る所に大きな岩が在りました。岩は大変な力持ちでした。岩はとても優しい気持ちを持っていました。ある時、村の人が岩に言いました。「お願いですから、家の礎に成って下さい。」岩は快く承諾しました。しかし村の人は家を建ててしまうとすっかり岩の事を忘れてしまいました。時はたち、岩は思いました。寂しいな僕は人の為に目立たない所で支えているのに誰も思い出してくれない。岩には、一人友人がいました。それは雨のときに床下に流れ込んでくる水でした。岩は水に言いました。「僕は水さんの様に、自由にいろんな所に行きたいし、人に感謝されたいな・・。」すると水は言いました。「そうなんだ。じゃあこうしよう。今度雨が降った時僕は岩さんの割れ目に入る。その後寒い冬の朝僕は氷になって君をばらばらにするよ。そして僕と一緒に清水に流れ込んで川にいこう。」時が経ち水のいったとおり寒い冬の朝水は氷になりました。あっというまに岩はばらばらに成ってしまいました。細かい砂のようになった岩は水に携えられて、川に行きました。岩は川を下るうちに角が取れて綺麗な石になっていました。ある日の朝浜辺に人がとおりかかりました。すると きらりと光るものが目に入りました。なんとそれはダイヤモンドの原石でした。実は岩はダイヤモンドの粒を含んでいたのです。原石となった岩は、人間の手に渡るとたくさん頭を削られてく王冠になりました。岩は、王様の頭の上にいると口々に王様の王冠についたダイヤモンドを褒めました。岩は初めは、山村の家の基礎でしたが今は王様の王冠になりました。その時時は千年経っていました。岩は思いました。「長かったな。でも今になって思うと一日のようだったな。そう岩は、考えると満ち足りた気持ちになりました。」

優しい王様

ある所に大きな国が二つありました。二つの国の皇女は、違った性格をしていました。一人はとても優しく、一人はとても残酷でした。王子は成人すると、立派な王様になりました。ところが、その地方に飢饉が押し寄せました。王様は飢饉で人が死んでもなんとも思いませんでした。それどころか、国にあった米の蓄えを高く売りつけました。その国はますます大きくなりました。一方優しい王様は、飢饉が起きると黙って人をほって置けませんでした。忠実な部下に命じて国民に食料を配りました。お金は取りませんでした。しかしなんということか国王は病に臥してしまいました。頼れるのは妻や子供でした。ところが国民にお金を使ってしまったので妻は国王を見捨てて出て行ってしまいました。国王は、病床の中でも人の事を考えていました。忠実な部下を毎日国全体に見回りにいかせました。するとまだ貧しい人の所に食料がいきわたっていませんでした。王様は忠実な部下に命じました。「残った財産を売って施しなさい。私がやったと言ってはならない。」忠実な部下は言われたとおりにしました。王様は貧しい人が助かった事を聞き、安心しました。そこで忠実な部下に言いました。「私はもう直ぐ死ぬ。よいか宮殿を売り払ってお前の物にするがよい。私の葬式は、誰にも言っては成らない。お前が人を手配して私を静かな山の頂きに葬っておくれ。」忠実な部下は言われた通りにしました。実はもうお金が無くてお葬式が挙げられなかったのです。一方の王様は、やることが全て成功して大金持ちになりました。しかし 人を人と思わない考え方は死ぬまで変わりませんでした。時が過ぎ忠実な部下の所に貧しかった家の娘がやってきました。娘は言いました。「ある時神様にお祈りしていると、あくる朝玄関に金貨が在ったのです。私はそのお陰でこうして働けるまでになりました。何がおきたのか教えて下さい。」忠実な部下は言いました。「前にお亡くなりになった王様が貴方の事を心配して財産をなげうって救ったのだ。」この話は、国民の心を打ちました。皆は王様が既に死んでいることを悔やみました。しかし皆は言いました。「王様の愛のある行いは私達の心に行き続けているではないか。」いっぽうのお金持ちの王様は、盛大な葬式を上げられましたが、人の心から直ぐに消え去りました。人の行った愛のある行いや言葉は人の心に永遠に生き続けるのです。

王子の涙

昔 神様に一人の子供が居ました。子供は、そのまま大きくなっても、王様になれました。しかし神様は、考えました。何の苦労もしないで、大きくなったら人の悲しみが解らない王様になってしまう。そこで神様は、子供を遠い国に旅に出させました。子供は、王様の子供だと言う事で皆がよってたかっていじめました。何故なら、王様になった時に、あいつは、俺がいじめたんだ。えへん!と言えるからです。王子は、非常に強い男でした。いじめられても、ほっておきました。王子は、大人になると、商売を始めました。王子は大変な苦労をして財産と、知恵を身に着けました。ところが、王様はその話を聴くとなんという事か、その商売をやめさせてしまいました。王子は、ご飯を食べるのがやっとの生活になってしまいました。王子は、仕方なく遠い国の中でも皆が嫌がる給料の安い仕事をしました。すると王子は今までの知恵によってあっという間にその仕事を憶えてしまい、周りの皆から信頼される様になりました。皆は王子が、簡単に仕事をやっていると思っていましたが、実は王子様は、皆の居ない時に汗を流し、涙を流し、ある時は皆を守るために闘って血を流したりしました。時が満ちて王様は使いを遣わし、本国に帰るよう命じました。王子が気がつくとそこは、なんと天国でした。王子は、実は地上で苦しんでいたのです。そして、大変驚いた事に、王子が流した血は、真っ赤なルビーに、一生懸命働いて流した汗は、透き通る水晶に、人のために祈った涙は、ダイヤモンドになっていました。王子の為に祈った人の涙は、真珠と成っていました。それでこの地上には、宝石があるのです。

少女と妖精

ある時公園で、少女が泣いていました。すると妖精がやってきて、たずねました。「どうしたの?」少女は答えました。「明日学校で皆の前で発表をしなければいけないの・・。でも怖くて・・。」妖精は、答えました。「じゃあ私の持っているこの手鏡をあげるから、机に座って居る時に鏡を見るんだよ。」と言って妖精は離れて行きました。あくる日少女は、学校に行き発表が近づいてきました。その時、ポケットに手を入れると、本当に鏡があるではありませんか。少女は、鏡を覗き込むとそこには、自信に溢れて発表する少女の姿がありました。発表は大成功でした。それからと言うもの、少女は、すっかり自信をもって発表できるように成りました。ある発表の日いつもの様に、ポケットに手を入れると鏡が無いのです。少女は慌てました。ところが、どんどん時間が近づいてきます。とうとう発表になりました。少女は勇気を振り絞って発表しました。大成功でした。その日公園でブランコに乗っていると、妖精が現れました。妖精はいいました。「鏡が無くて驚いたでしょ?実は最初から貴方は出来たのよ。これからも自信を持ってやってごらん。」そういって妖精は消えました。二度と現れる事はありませんでした。でも少女はそれから、何事も、勇気をだして自信を持って物事に取り組むようになったそうです。